やる気のでない若者へが何かを始めるきっかけに。「モチベーション革命」を読んだ20代社会人の感想

やる気がでない、上の世代に過小評価される現代の若者あるある

職場の上司や社外の友だちと話していると、よくこんな会話になる。
・職場で「最近の若者はやる気がない」「仕事に熱意がない」と言われる
・かといって出世欲はあまりないし、大きな収入を得たいともあまり思わない
・自分でも何か頑張りたいが何を頑張ったらいいのか分からない
・勉強しないといけないと思っているが、何から手をつければいいか分からない

本書を読んで得られる効果

・上の世代のように「達成、快楽」を幸せの軸として、モチベーションを高めようとしなくてもいいと思える ・上の世代よりやる気がないのではなく、モチベーションの源泉が違うのだと分かる
・何を幸福の軸にすると、幸せを感じやすいのかが、はっきりする

モチベーション革命の要約

f:id:half2bit:20210101173742p:plain 「渇けない世代」モチベーションが低いのではなく、モチベーションの源泉が異なる。
会社から与えられた目標の「達成」や上の世代の「快楽」が、合わなくてもよい。
将来的に頭脳労働はAIに代替され、自分の「好き」が資本になる時代が来る。 自分の「偏愛」を追求してライフワークを見つけることが生きがいにつながる。

感想

今の時代は、お金を頑張って稼がなくても コンビニに行けば安い値段でそこそこ美味しい食べ物も飲み物も、いつでも買える。 Amazon PrimeYoutubeで、いくらでも面白いコンテンツを楽しめる。

既に物質的にある程度は豊かなので、年収が少し上がるぐらいであれば、そのために仕事を頑張る理由がない。 むしろ年収が少し下がっても、より時間的な束縛の無い会社に勤めるほうが、プライベートな時間を確保できて、楽しいだろう。

そう考えると、仕事を頑張らなくても、勉強もしなくても、別にそれで良くないか、という気もしてくる。

ここで問題になるのは、これだと思う。
・仕事も勉強も頑張らないまま、仕事に週40時間も費やすことは楽しいか。 ・仕事も勉強も頑張らないまま、40、50代になって、どれぐらいの仕事の選択肢があるか。誰が必要としてくれるのか。

仕事も勉強も頑張れないと、結局は自分が楽しめないし、辛くなってしまいそうだ。

しかし、渇けない世代の幸せは会社の目標の「達成」や高級志向の「快楽」の比率は小さい。

「人間関係」「意味合い」「没頭」という幸福の軸から、どうすれば仕事や勉強のモチベーションにつながるのだろうか。 まずはそれぞれの幸福を自分の言葉で定義することだと思った。

例えば、僕ならこんな感じの答えになる。

「人間関係」
・自分がどんな人と一緒に働きたいのか。どんな人を尊敬するのか。  →利益を作ることができる人。謙虚な人(自分は周りの人よりも特別で偉いと思わない人)。

「意味合い」
・自分はどこに意味を感じるのか、何が好きなのか →プロジェクトがビジネスとして将来性があること。利益を生み続ける説明ができること。誰の何を解決できるのか分かること。 これがないと自分の作業を頑張っても、実は時間の無駄なんじゃないかと思ってしまう。 なのでプロジェクトに参加した時点で、これをきちんと調べるかがモチベーションの差になる。

「没頭」
・日常の中で、つい考えてしまう、感じてしまうことは何か。 →今やっていることがめんどくさいと良く思う。プライベートでも洗濯から畳むまで自動化できないかとか、いつも考えてしまう。 こういうシステムやサービスがあったら、もっと便利なのにと考えることが多い。 自動化や効率化をしている間は、時間が経つのを忘れることが多い。 文章を書くことも好きで、没頭できる。上手く書けるわけではないけれど。

言葉にすると、自分の幸せのツボみたいなものが分かってきた気がする。

今までは何か新しいことを始めようとすると、とりあえず目標を立てて途中でやめることが多かったが それよりも、まずは自分がどこに幸せを感じるのかを知ることが必要だったのだと学ぶことができた。

次に友だちや上司と「現代っ子はやる気がない」系の話になったときには、 「人間関係」「意味合い」「没頭」という切り口から自分のやりたいこと、幸せのツボを探すという考え方を伝えてみよう。

お金の全体の供給量は増え続けるのか?マネーストックと信用創造

「お金の総量はいくらか?」「全体の供給量は増え続けるのか?」を知りたいと思った。

なぜ知りたいと思ったか

お金そのものの供給量が需要量の増加速度よりも遅ければ、限られたリソースの奪い合いになるはず。

その市場の中でお金持ちになることを願えば、お金の奪い合いゲームに参加することになるのではないか?それは本当に幸せなのだろうか?

この市場にどれぐらいの熱意で参加するべきなのか、判断するために調べてみた。

※ざっくりとした理解を目的としているので、用語は正直適当に使っている。例えば「金融機関」とすべきところを、「銀行」と簡略化していたり、「お金」の定義を曖昧にしたまま話を進めたりしている。

キーワード

ワード 意味
マネーストック 経済全体に供給されるお金の全体量
信用創造 銀行でお金を借りると、借りた分だけお金の流通量が増える

サマリー

「お金の総量はいくらか?」
マネーストックという単語で表される。分類は色々あるが日本のマネーストックは1000兆円のスケールである。

「全体の供給量は増え続けるのか?」
銀行からお金を借りる人がいる限りは、借りた分だけ信用創造によって増え続ける。

「お金の供給量が需要量を下回ることがあるか?」
信用創造が成り立つ限りは起きなさそう。供給量以上の需要が出てくることは、すなわちお金を借りるときではないだろうか。

「お金持ちを目指すべきか?」
この問いはまだ分からない。経済とお金の勉強をしなければ、まだ答えられそうにない。

日本に流通するお金の総量(マネーストック)はいくらか?

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種別 主な対象
M1 現金、普通預金
M2 M1 + 定期預金 (ゆうちょ銀行を含まない)
M3 M1 + 定期預金 (ゆうちょ銀行を含む)
広義流動性 M3 + 投資信託などの金融商品


試しに単純にマネーストックを日本の人口で割ってみる。

広義流動性 ÷ 日本の人口
= 1,912兆9,374億(円) ÷ 1.2581億(人)
= 15,204,970.99 (円/人)
= 1520万4970.99 (円/人)

思ったより少ないと感じたが、全体の供給量を割っているから、こんなものになるのか。。。?

それは置いといて、このマネーストックの増加率が、需要量よりも小さいと、お金が十分に供給されないことになる。

それではマネーストックはどのように増えるのだろうか?

画像と単語の意味は下記からお借りしました。
【マネーストック】の推移を図解|ニッポンの数字

総務省統計局 人口統計 2020年9月報」より人口を参照
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202009.pdf

銀行でお金を借りると、借りる前よりもマネーストックが増える!(信用創造

・銀行は保有する金額0円でスタート
・Aさんが銀行に100万円を預ける (銀行は100万円を保有)
・Bさんは銀行から30万円を借りる (銀行は100万円を保有)
・銀行は100万円しか持っていないのに、あたかも130万円思っているかのように、Bさんに30万円を貸す。

このように実際に持っている金額を超えて、お金を貸すことで、お金の流通量を増やすことを信用創造と呼ぶらしい。

もしBさんが30万円を返す前に、Aさんが100万円を全額引き出そうとすれば、銀行は70万円しか返せない。Aさんに100万円全額引き出させないために、金利といった制度があるのだとか。

下記を参考にしました。
お金が発行される仕組みについて解説します!|ときわ総合サービス

無事にBさんから30万円を回収できれば、晴れて銀行は130万円を保有することになり、
マネーストックは増える。また貸して回収を続ければ増え続ける。

それならいくらでも、マネーストックは増やせそうに見える。
全員がお金持ちになれるじゃないか。実際のマネーストックはどれくらいの増加率なのだろう。

日本のマネーストックの増加率

M1, M2, M3の前年比増加率 f:id:half2bit:20201108141046p:plain

2003年付近が大きく突き抜けているのは気になる。

正直こんなに振れ幅が大きいとは思っていなかったが、2004年4月~2020年5月は増加率が0~10%以内にほぼ収まっている。この数字が大きいのか大きくないのか、よく分からない。

画像は下記からお借りしました。
【マネーストック】の推移を図解|ニッポンの数字

次の疑問

マネーストックの増加率は高いほど豊かな社会なのか?」

「日本のマネーストックの増加率は低いのか?」

マネーストックの増加率は、金融機関からお金を借りる量だけで決まるのか?」

【検証】牛乳は体に悪い?乳糖は消化しにくいから飲むべきでない?科学的な根拠を調べてみた【研究結果リンクあり】

日本では小学生から給食で毎日牛乳を飲む習慣がある。誰もが飲み、骨を丈夫にするという健康に良いイメージがあるが、一方で

・ 乳糖は多くの日本人が分解できない(乳糖不耐症
・そもそも子牛のための飲み物で、人間が飲むべきでない

といった反対派の意見も聞いたことがある。こういう噂を聞くと牛乳を買うか毎回迷うので、調査してまとめてみた。

※書いた人は専門家でも科学者でも医療・栄養の専門の知識もない、ただ興味があるだけの素人です。
※乳製品を扱う組織にも動物愛護団体にも関係ない個人の意見です。

【検証】乳糖は多くの日本人が分解できない(乳糖不耐症

牛乳に含まれる乳糖を多くの日本人は体内で分解できない。だから飲むべきでないという反対派の意見だ。この科学的根拠はどこにあるのだろうか?

下記が素人にも分かりやすく、かつ科学的でかなり詳しかった。

(以降は、下記リンクより抜粋)


乳糖不耐症の原因

小腸粘膜にある乳糖分解酵素ラクターゼ)という、二糖類である乳糖をグルコースガラクトースに分解する酵素の活性が弱いことにある。牛乳100ミリリットルには乳糖が約5グラム含まれているが、この乳糖がラクターゼによって分解吸収されずにそのまま結腸内に到達すると、浸透圧上昇により水分を大腸内に引き込んで下痢の原因となる。

日本人の中に乳糖不耐症の性質を持つ人の割合の調査方法と結果

(2)「乳糖投与後の血糖値の増加」

1972年に日本人の乳糖不耐症者の割合を86%と報告した研究と79%と報告した研究がある。2003年に私たちが74名の若年女子集団を対象として行った調査では、82.4%が乳糖不耐症者であると判定された。

(3)「乳糖投与後の呼気中水素濃度上昇」

この方法によっては、1998年に51.6%と報告した研究と、1992年に94.7%が乳糖不耐症者であると判定した報告がある。

なぜこのように乳糖不耐症者の割合にばらつきが見られるかということについては、(2)の方法では血糖上昇には対象者の耐糖能という別な要因が関連してくるため、(3)の方法では結腸内の腸内細菌叢によって影響を受けるため、という理由が考えられる。

結局、牛乳を飲んでもよいのか

日本人は他の多くの民族と同じように成人性の乳糖不耐症が生じる民族ではあるが、このような集団でも、牛乳200ミリリットル中に含まれる、乳糖約10グラムの飲用ではほぼ症状の問題は生じない。 しかし、症状を強く意識する方たちはあまり意識しない方たちよりも、牛乳を摂取しない、という習慣がつきやすい。そのことによりまた、乳糖分解を助ける腸内細菌が定着しない。逆説的ではあるが、日本人においては、乳糖不耐症が「牛乳を飲む、飲まない。」をわけるのではなく、牛乳摂取習慣が「乳糖不耐による症状が強く出る、出ない。」を分けることになる。


(抜粋ここまで)

畜産の情報−調査・報告−牛乳摂取習慣と乳糖不耐症2008年6月
※塚田三香子氏は聖霊女子短期大学の公式HPにも名前が載っている方なので実在する栄養学の教授である。念のため。


上記の研究のサマリーと個人的な感想。


サマリー

上記によれば、日本人は乳糖不耐症の性質を持つ民族だが
・コップ1杯程度の牛乳であれば下痢などの症状はほぼ生じない
・牛乳を飲むほどに、徐々に乳糖分解を助ける腸内細菌が定着する、逆も正。

気になった点①

いくつかの論文で、成人性乳糖不耐症の生ずる民族においては、「乳糖不耐症と自覚する集団は、乳類を摂取しないためカルシウム摂取量が低い」ということが確かめられている。


カルシウムを摂取する手段は牛乳以外にもあるので、「牛乳を飲まないとカルシウムが十分に摂取できない」という論理は成り立たないことに注意。

気になった点➁

乳糖不耐症とした検査母数が少ないのでは?N=100にも満たない母数から、日本人は乳糖不耐症の性質を持つ人が多い民族である、と本当に言えるのか?




乳糖不耐性だから牛乳を飲むべきでないという主張への反論の検証

Jミルクの乳糖不耐性に対する主張

「乳糖不耐」はそれほど多くない 乳糖不耐は、乳糖を分解する酵素ラクターゼ)が大人では小腸で少なくなり、十分に働かないことにより起こると考えられてきました。しかし実際には、牛乳を飲んで下痢をする人の割合はそれほど高くないことがわかりました。


乳糖の摂取量と下痢発生に関するヒト試験(※1)によると、乳糖を30g(牛乳700mL相当)摂取したグループでも下痢は起こりませんでした。60g(1,200mL)摂取のグループでは50%以上の割合で下痢が起こりましたが、一度に1,200mLの牛乳を飲むというのは、実生活ではほぼありえないことです。


ウワサ16 日本人のほとんどは、牛乳を飲むとおなかをこわす | 一般社団法人Jミルク Japan Dairy Association (J-milk)

前提として、Jミルクという名前からして牛乳を飲むと体に良いという研究データしか出ないわけだが、根拠となる論文を読んでみる。

根拠となる論文による検証

上記の反論はミスディレクションだった。論文には下記のように書かれている。

・乳糖30g (牛乳700mL相当)では被験者のうち15/49人が、下痢ではないが何かしら症状を自覚した。
・乳糖40g (牛乳933mL相当)では被験者のうち4/49人が下痢、38/49人が下痢ではないが何かしら症状を自覚した。
・論文の結論部分でも「乳糖摂取によって血糖上昇がきわめて低かったのは予想外であった。」と書いてある。※血糖値の上昇が低いことは、乳糖不耐性を意味する
・実生活では実験の設定のように牛乳以外飲み食いせずに過ごすことはほぼない。(これは実験の性質上しょうがないことだが)

ヒトにおける乳糖の一過性下痢に対する最大無作用量とそれに及ぼす食べ方に関する研究 | 学術連合の研究データベース | 乳の学術連合
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/f13cn00000000xvm-att/studyreports2001-11.pdf

「牛乳によって起こりうる不利益」を「下痢」にすり替えている点が、ミスディレクションである。

上記論文の結果からも、日本人の多くは乳糖不耐性であり、多すぎる量の牛乳を摂取するべきでない、ということがわかった。

※Jミルクを批判する意図はありません。あくまで妥当性を検証したかっただけです。

結論

700mL/日であれば、牛乳を飲んでもよさそうという、 過激なネタを好む方にとっては面白くない結果になった。

ただ、乳糖不耐性については知識として小学校や中学校でも教えるべき内容だとは思う。
学校で言えば、毎日飲んでいるものが、実は飲みすぎると下痢やお腹の不調につながる可能性があること知らずに、毎日飲まされている事実はフェアでない。

食品業界のビジネス視点で言えば、消費者の購買意欲を削ぐようなネガティブな情報は広めたくないものだろうが、消費者の健康よりも自分たちの利益を優先する思想がどこまで生き残るのか、ということに非常に興味がある。

「牛乳飲むな」論争には、乳糖不耐性以外にも、畜産業が与える環境へのコストや育成方法の倫理的観点からの批判があるので、そちらもいつか詳しく調べてみたい。